レオニスの泪
「心当たり…ですか…」
なんだろう、最近??
森っていう男が煩わしい?五月蝿い?気に食わない?
いやいやいや、、大して関わっていない。
眼鏡越しの穏やかな目は、一体私にどんな答えを期待しているのだろう。
「いえ、特には…」
結局、そのままを答えるしかなかった私は、首を傾げて見せた。
「そっか…ないのかぁ。」
顎に手を当てて見せて、先生は考え込むような仕草をしてから。
「もしかしたら、なんだけどね。葉山さん、精神的に参ってる、ってことはない?」
「―は!?」
目を見開く私に、少しだけ身を乗り出した。
「今回聞いた症状の原因は見つからなかった訳でしょう?気付かない内に色々抱えこんじゃって、心が弱くなっているのかも、しれない。」
「そんな…別に私は…」
躍起になって否定しようとする私を安心させる為か、先生は笑って見せる。
「一回だけ、一回だけでいいから、ここの精神科の先生に相談してみるのはどうかな?」