レオニスの泪
「っ」





嫌だ。

嫌だ嫌だ。


気付いてなかったといえば嘘になる、と思う。


だって、なんだか心が空っぽになったり、落ち着かないってことはあったから。


薄々自覚していたから。


だけど、それを認めてしまったら。


自分はどうなる?



抜け出せなくなってしまうんじゃないか。

気のせいだと思っていれば、その内元に戻るんじゃないだろうか。


そう思っていたのに、そうじゃないと知ってしまったら。



私は今と変わらずに立っていられるだろうか?




「私……が、精神的におかしくなってる、、ってことですか…?」




明らかに沈んだ自分の声が響き、あぁ、へこんでるな、と自覚した。




「そうじゃない。おかしくなってるなんて思っていないし、そう思わないで欲しい。ただ身体に出てくる程苦しいのであれば、自分と向き合う必要があるってことだよ。つまり、気付かないといけない段階にきているんだ。折角出されたSOSを無視しない方が良いよ。」




穏やかな口調は変わらずに、労わるように紡がれる。




「幸いここには良い先生が揃っている。私から紹介状を書いて置くから、帰りに予約を取っていって欲しい。必ず。」

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