レオニスの泪





《明日帰るけど、お土産何が良いかな。》



星の話はスルーされたものの、翌日の夜にはまたメールが来て、複雑な気持ちになりつつ、この関係を何と呼ぶのだろうと悶々とする。

――お土産何が良いって、、何て答えるのが正解なの?しかもどこにいるか知らないし!


電話ではないのが、私への配慮なのか、それとも自分への憂慮なのか。


考えていると、携帯が震えた。


《慧君、眠った?》


何でそんなこと訊くんだろう、と思いながら、ぐっすり眠っている慧を見て、肯定の返事をする。




《電話、してもいい?》

「――――!」


更に返ってきたメールを見て、心臓が飛び跳ねた。

顔が映る訳でもないのに、落ち着かず、そわそわと身だしなみを整え、少しだけ開いていた、慧が眠る和室の戸をそっと閉めた。


《はい。》


涙が滲む程、緊張し、ドキドキしながら、そう打つと、直ぐに携帯が、長い震えで着信を知らせる。


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