レオニスの泪
全部ひとりでやってきたように思ってた。
たった一人で頑張って来たような、そんな気がしていた。
そのせいで、助けてと言えなかったし、助けてもらってるなんてこれっぽっちも思ってなかった。
だけど、実際はそうじゃない。
気付いていもいなくても、人は少なからず、誰かの自己犠牲の上に成り立っている。
例えば、ごみ収集という仕事をしてくれる人がいるから、街中はきれいになる。
コンビニのレジを打ってくれる人がいるから、コンビニで物を買える。
電球を作ってくれる人がいるから、電気が切れた時に取り替えればまた使える。
当たり前だと思っている事は沢山あるけど。
でも、それぞれは、誰かの為にやってる訳じゃない。
自分の為にやってる。
だけど、それは誰かの為になってる。
どんなに些細な事だと思えても、それは確実に誰かを支えてる。
一人じゃない。
誰も、一人じゃ、生きていけない。