レオニスの泪
追いかけてしまったけれど、自制してごめんと言ったはずなのに、その言葉の威力で最後だと彼女が思うだろうとも自覚していたのに。
水曜日の夜、彼女が公園にいつも通りに来ることを期待して、当たり前のように待っていた自分は身勝手だ。
完全に自負していた。
木戸が彼女に会いにきたなら、彼女は僕に助けを求めに来るだろうと。
それが自然の流れだろうと。
そして、そうなることで、僕は安心したかった。
彼女が存在していることの保証みたいに、そのルーティンが、必ず成り立つように、願って。
だから、僕は彼女に、どうにかして関わろうとしていたのだと、この時分かった。
『……ただの患者相手に、ここまでしていただく理由がありません。』
『申し訳ないけど……、なんか僕は祈さんが心配なんだよね。』
あの時はっきりと答えられなかった質問の答えは、僕自身の為だった。
僕は、彼女の中に、自分の救済を見ていた。