レオニスの泪
翌朝。



起きて直ぐに顔を洗って、手を洗う。



トースターに食パンを放り込んで、フライパンで目玉焼きとベーコンを焼いた。



お皿の脇に、サラダも少し。



朝食はそんなもんで、お皿と、紅茶をセットして。




慧が保育所へ持っていく小さなお弁当箱に炊いておいた白米をよそった。


保育所でおかずは出るものの、ご飯だけは各家庭で持ってくることになっているからだ。



荒熱を取るために、少しの間放置。




「次は…っと。」



今度は家のこと。


夜の内に済ませておいた洗濯物を、ベランダの物干しに掛けて、バスタブを洗って、一通り部屋に目立った箇所はないことを確認して、掃除機は帰宅してからにする。




ここで、慧を起こしに行った。




「慧ー!!起きなさいー!」




白くてむちむちしている、触り心地抜群の慧。



ぱかっと口を開けて、薄ら白目になっている。



若干怖い。




「ほらー!慧!!!朝だよー!」




むにむにと、その白い頬を軽くひっぱってみたけれど。




その瞼は動くことなく。


口はむにゃむにゃしている。




「もーぅ」




仕方なくがばっと覆い被さってみた。




数秒経過。




「んー...!ママ、重い…」



「おはよ!」




Gに耐え兼ねた慧が、ギブと言わんばかりに目を覚ました。
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