レオニスの泪
「仕方ないですねぇ、こないだも言ったのに。神に成るって書いて、神成先生!わかりました?」
カシャン、カランカラン…
「葉山さん!?」
「あ、すみませ…」
気がつけば、手にしていた器具がいつの間にか抜けて、床に落ちてしまっていた。
「葉山さーん!ドンマイ!」
悔しいかな、要らない森の励ましを受ける羽目に。
こんなに奥にいて、しかもキャップにマスクをしているのに私とわかる辺り、恐るべし、森。
ーびっくり、した。
まさか、自分の主治医が出てくるなんて思わなかったから、少し動揺したらしい。
「すいません、新しいの、出します。」
直ぐに新しい泡立て器を殺菌庫から出して、作業を黙々と続けた。
ー看護師選り取り見取りだっていうから、てっきり独身者かと思っていた。
「神成先生ね。わかった!今度こそ、忘れないようにする!」
「そうですよー!ねぇねぇ!葉山さんも覚えておいてくださいね!」
ギクリ、心臓が嫌な音を立てて。
「…なんで、私が…」
小さく呟いたのが奇跡的に聞こえたのか、私の目がそう言っていたのかわからないけれど。
「もし気に入られたら、再婚できるかもしれないですよー!狙い目!です!医者の中じゃ、給料は少ない方ですけど!」
森が元気に太鼓判を押した。
カシャン、カランカラン…
「葉山さん!?」
「あ、すみませ…」
気がつけば、手にしていた器具がいつの間にか抜けて、床に落ちてしまっていた。
「葉山さーん!ドンマイ!」
悔しいかな、要らない森の励ましを受ける羽目に。
こんなに奥にいて、しかもキャップにマスクをしているのに私とわかる辺り、恐るべし、森。
ーびっくり、した。
まさか、自分の主治医が出てくるなんて思わなかったから、少し動揺したらしい。
「すいません、新しいの、出します。」
直ぐに新しい泡立て器を殺菌庫から出して、作業を黙々と続けた。
ー看護師選り取り見取りだっていうから、てっきり独身者かと思っていた。
「神成先生ね。わかった!今度こそ、忘れないようにする!」
「そうですよー!ねぇねぇ!葉山さんも覚えておいてくださいね!」
ギクリ、心臓が嫌な音を立てて。
「…なんで、私が…」
小さく呟いたのが奇跡的に聞こえたのか、私の目がそう言っていたのかわからないけれど。
「もし気に入られたら、再婚できるかもしれないですよー!狙い目!です!医者の中じゃ、給料は少ない方ですけど!」
森が元気に太鼓判を押した。