バレない嘘をついてよ。
9
次の日の朝。
いつも通りに起きて、
いつも通りに朝食を食べ、
いつも通りの時間に家を出た。
……やっぱり考えてしまう。
澪の告白を。
昨日の澪の言葉を思い出すたび、
胸がドキッとした。
告白されるなんて、無縁だと思ってた。
「おはよ、あず」
「おは……、みっ澪⁉︎ 」
そこには、制服姿の澪がいた。
ちょうど澪のことを考えてたから、
驚いてしまった。
「そんなに驚かないでよ」
澪はそう言って、
笑いながら私の頭をポンポン叩いた。
「そうだ、後で体育館まで案内してくれない? 」
「いいけど……どうして? 」
「バスケ部の活動を見たいんだ」
そういえば……
澪はバスケ好きだったね。
「じゃあ、早く行こう? 朝練終わっちゃうよ! 」
「えっ⁉︎ うっ、うん」
私は思いっきり、
澪の手を引っ張った。