バレない嘘をついてよ。

「っ……⁉︎ 」



私の名前を呼んだのはーー



「カズ……」



叶は小さく呟いた。

どうしてカズキが……?




「はっ、何で亜樹がいんだよ」

「友達の墓参りに行ってたの」




カズキは”ふーん”と言い、
私を見つめてきた。



「何よ」




カズキは歩み寄ってきた。

そしてーー




「俺さ、やっぱり梓のことが好きだ」




抱きしめられながら言われた。


嬉しいとも感じないセリフ。




「離して」



私はカズキを思いっきり突き飛ばした。
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