バレない嘘をついてよ。

大きな声を出したから、周りからの視線が凄い。


夜神も気づいたみたい。

けど……振り向いてくれない。
返事もしてくれない。
怒っているの?



「夜神〜、誰か呼んでるよ」

「……いいよ」



夜神は返事も目も合わせずに、歩き出した。


段々と怒りがこみ上げてきた。




「無視するな! この、バカ夜神‼︎ 」




私は思いっきり、夜神の背中を押した。


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