バレない嘘をついてよ。

「ん〜、やっぱり暇だ」



やっぱり図書室には人はいなくて、
暖房がきいた部屋だから眠気が襲う。


寝ちゃおっかな。
私は机に前かがみになって倒れた。




「……あれ? 君は確か……」




私のすぐ側で声が聞こえた。

誰だろう?
つい最近に聞いたことがある声。



「……ん? 」

「あっ、起こしちゃったかな」



ぼんやりと目を開けると、
目の前には綺麗な顔立ちの男の人が笑っていた。



「……っ⁉︎ 」



ちっ近い‼︎

少しでも前に出れば、
彼の口と私の口が重ねってしまう距離。





「どうしたの? 」

「あっあの、近いんですけど……」

「えっ、あ〜……ごめんごめん」



彼はあんまり気にしてないみたい。

私だけ気にしてるの⁉︎


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