バレない嘘をついてよ。
「ねぇ、俺の告白さ忘れたわけじゃないよね? 」
「えっ……」
じっと見つめられ、
私は身動きができなかった。
「忘れてない」
「なら、返事聞かせてよ」
「……ごめんなさい。私、澪とは付き合えない」
何分か経ってから、
私は言った。
「……何で? 」
「私にとっての澪は、幼なじみだから。仲の良い幼なじみの関係でいたいの」
これが私の本心。
嘘なんて1つもついていない。
「何でよ……! 何で、何で俺は他人から愛されないんだよ……」
「へっ? 」
澪は独り言のように言った。
他人から愛されない?
澪は何かを思いつめた顔をしていた。