バレない嘘をついてよ。
一斉にして集まる視線。
ここの中学校は小学校から大学まである学校で、ある意味転入生って感じか。
俺は教室の真ん中にある席に座った。
「おいっ! 」
「ん? 」
突然話しかけられた。
「俺、柳葉 仁(やなぎば じん)。よろしくな」
出された手。
握手ってことか?
俺は柳葉の手を握った。
明るい茶色の髪に、
吸い込まれそうな大きな瞳。
童顔……だな。
「今、童顔だと思ったでしょ」
「い、いや思ってないよ」
「まっ、いーけどな。それより、お前何て言うんだ? 」
「夏木 澪。よろしく」
そう、コイツとの出会いが
俺の5年間を変えた。