バレない嘘をついてよ。
「なぁ、夏木」
日直の仕事をしていた時、
同じ日直の金田(かなだ)が口を開いた。
「何? 」
「……だいぶこの学校に慣れてきた? 」
「え、あぁ……」
どうしたんだ、急に。
まあ、
たわいもない世間話か?
「……そうか。あのさ、夏木」
「ん? 」
「この学校のウラについて、知ってるか? 」
「ウラ……? 」
金田は、
コクリと頷いた。
「いや、知らない。何だ、その”ウラ”って」
「あまり大きな声じゃ、言えない話しなんだけど……」
金田は辺りを見回し、
仕事をする手を止め話してくれた。