バレない嘘をついてよ。
13
【梓 side】
話しを聞いていて、
予想外の話しの重さに驚いた。
私は、
ちょっと悲しいことがあったのかな?
何て軽く思っていた。
だけど違った。
話している時の澪は、
目は虚ろで弱々しい声だった。
澪の姿を見れば分かる。
どれだけ辛い思いをしたのか。
「……俺さ学習したんだ」
「学習? 」
「あぁ……。闇から逃げるには賢く生きないとダメなんだ、とね」
……賢く生きる。
だから、
澪は光のリーダーになったの?
「自分が明るい道を歩くには、オモテが必要なんだ。ウラはどう思ったっていい。ただ、オモテを良く見せればいい」
……確かにそうだよね。
私だってウラもあるし、
オモテだってある。
「光は、オモテは良い人間だけどウラは陰より最低かもしれない集団だ。……ねぇ、あず」
私は床に押し倒された。
澪との距離は、
とても近くて唇が重なりそうな距離。