バレない嘘をついてよ。
頼んでいたハンバーグとライスが
運ばれ、俺はそのハンバーグを口に運んだ。
「ねぇ、前から聞きたかったんだけど」
「なんだよ」
夏木は、
優雅にフォークでパスタを巻いている。
「何で夜神は、陰のリーダーになったわけ? 」
「……別に理由なんて、ねーよ。ただ、前のリーダーが俺の……アニキだったからなっただけだよ」
「ふーん、お兄さんが。……確かその世代の陰と光って最悪だったんだよね? 」
俺はフォークを止めた。
あぁ、コイツ知ってんだ。
アニキの世代のことを。
「知ってんの? 」
「いや、あんまり知らないけど。だから、知りたくてさ」
「知っても別に良いことねーよ」
「ただ興味があるだけだよ」
夏木の笑みに俺はゾッとした。
「わ、わかったよ」
俺はハンバーグを一口サイズに切り、
口に入れた。