バレない嘘をついてよ。
「ふーん、夜神」
「あ? 」
夏木は真っ直ぐ俺を見て言った。
「あずのこと好きでしょ? 」
「は、はっ⁉︎ そんなわけねーだろう!」
「はぁ……似た者同士だね。あずのこと頼むよ」
「急にどうした? 」
”これでお別れ”
みたいな雰囲気じゃないか。
やけに深刻そうな顔しているし……。
「別に。んじゃあ、ごちそうさま」
「は、お前金払えよ! 」
最悪……。
まるで食い逃げじゃないか。
俺は仕方なくレジに向かった。