バレない嘘をついてよ。
「失礼しました」
担任に日誌などを渡し、
教室に向かった。
「ねぇ、キミ」
「え? 」
背の高い赤髪の男子。
こんな人、
学校にいたっけ?
「ねぇ、校長室の場所分かる? 」
「あ、はい……」
独特な雰囲気な人。
近寄りがたい……
いや、近寄ってはいけない感じ。
「案内してくれる? 道に迷っちゃてさ」
彼は冗談ぽく笑った。
……気のせいか。
「はい、分かりました」
「ありがとう、助かるよ」
私は彼を、
校長室まで案内をすることになった。