バレない嘘をついてよ。
「それに、あずちゃんが好きで葯伊江とキスしたと思うの? 」
「えっ……」
「夜神は気づいてんだが知らないけど、きっとあずちゃんは夜神のこと好きだと思うよ」
その瞬間、
やけに鼓動が速くなった。
アイツが俺のこと好き?
いや、ありえないだろう。
でも、
もし……
それが本当なら嬉しい。
「で、どうすんの? 」
「教室に戻る」
「ハハッ、行ってらっしゃい」
俺は全速力で走った。