バレない嘘をついてよ。
15
「さ、佐伯‼︎ 」
俺はさっき見た教室に行った。
「夜神……」
「佐伯、大丈夫か⁉︎ 」
俺は佐伯に駆け寄った。
そのとき、
「来ないで‼︎ 」
オレンジ色に染まる教室内で、
佐伯の声が響いた。
「えっ……」
「もう……、関わらないで」
「な、何言ってんだよ? 」
”関わらないで”
佐伯が言った一言が、脳裏に響く。
何でだよ
何でだよ…!
何でなんだよ‼︎
「俺……何か悪いことしたか? 」
佐伯は何も答えない。
ただずっと下を向いたまま。