バレない嘘をついてよ。


「な……何で、信じてくれないの? 」

「はっ? 」


私は真っ直ぐ夜神を見た。


「夜神の怒る理由が分かんないよ! 関係ないじゃん……。別に付き合ってるわけでもないし」

「っ……! 」

「それに、夜神に私は必要ないでしょ? 」


あの日の記憶がよみがえる。


「何言ってんだよ…… 」

「長い黒髪のした綺麗な女の人。 夜神には、その人がいるんでしょ? ……もう、私に関わらないでよ‼︎ 」


……言っちゃった。


「何だよ……、分かったよ。お前とは、二度と関わらねーよ! 」




私のせい。

私が悪い。




こんな言葉、
聞きたくなかった。


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