バレない嘘をついてよ。


相田の表情は怒りに満ちていた。


そりゃあ、そうだろうね。

信じていた友達が裏切ったのだから。



まっ、嘘なんだけどね。

写真は俺の考えに賛成してくれた光のメンバーと陰の奴らで作った、上手く合成した写真。


「葯伊江、これはお前が撮った写真か? 」
「いいえ、違いますよ。もし俺がこの光景を見ていたのなら、写真よりもあの人達を止めてましたよ」


嘘の言葉を並べた発言。

もし本当に起きて、見ていたら止めるわけねーだろうが。


「そうだよな。……汛のとこに行ってくる」


ーーバンッ


大きな音を立て、扉は開いた。


俺は扉を開けた奴を見た。



ああ、作戦通りだ。




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