バレない嘘をついてよ。
「お前も、座れば? 」
私は、ブランコに乗った。
「ねぇ、事情を説明してよ。そういう約束でしょ? 」
「……そうだったな」
イチハツは、手元にある缶コーヒーを一気に飲み干し言った。
「あいつらは、俺が中学のときによく一緒にいた奴。まぁ、色々あって今はもう連絡もとってない。けど……」
イチハツはどこか言いにくそうだった。
「前、偶然会っちまって少し喧嘩したんだよ。そしたらアイツ、”彼女もいない奴なんか単なるつまんねー男だ”なんて言うもんだから、カッとなって”いるし。明日連れてきてやる”なんて言っちゃってさ」
私は黙ったまま聞いていた。