バレない嘘をついてよ。
午後の授業は最悪。
眠いし、だるいし。
早く終わらないかな……。
「おい、佐伯」
「なによー」
隣の男子、相馬が話しかけてきた。
「お前さ、陰に何かした? 」
「はっ⁉︎ どうしてよ」
陰って、夜神のことよね?
「いやー、何かさ……陰に”佐伯 梓に放課後、屋上に来いって伝えてくれ”って言われたんだよ」
「そう……」
「行けよな? 行かなかったら、陰に殴られそうだし」
「わかった」
……ヤバイ。
嫌な予感しかしないんですけど。