バレない嘘をついてよ。


教室を見ると、そこには……


血の海が広がっていた。




「詩織! 」

「梓……」



詩織のお腹には、銀色の鋭く尖ったカッターが刺さっていた。



「……し……おり? 」



大きな音を立て、床に倒れた詩織。




教室の窓側には、
詩織の彼氏と清水がいた。



「誰が……やったの……? 」



タクトはうつむき、
清水は涙を流していた。



「俺だよ……」



小さな声でタクトは言った。

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