バレない嘘をついてよ。
それからというもの、私はいじめを受け続けた。
掃除の時に使った水を、
頭に思いっきりかけられた。
机と椅子を、
外に出された。
上履きの中に、
大量の画びょうを入れられた。
毎週2回、
ストレス発散として殴られた。
周りからは、”殺人”と呼ばれた。
いっそうのこと、
死んでしまおうかと思った。
……けど、
逃げたくなかった。
詩織の事件から逃げたくなかった。
これは、詩織への償い。
だから……仕方がないこと。
そう思うようにした。