【完】向こう側の白鳥。








正に、その結果がこれ。





「……どうして最近、部活に来ない?」





部活にも顔を出さなくなった私に、一ノ宮先輩は自ら一年生の教室に出向くようになった。





「……俺、何かした……?」





そう不安気に視線を落とす先輩。





……部活になんて、行けるわけがない。



私は先輩を忘れようとしているのに。



先輩がいる部活に、行けるわけがないんだ。





「……明日からテスト期間に入るから、今週は今日が最後なんだけど。……白鳥さんも、来て。」



「っ……、行きません!」





揺らいでしまいそうな気持ちを吐き捨てるかのように、私は勢いよく言い去った。





先輩は追って来ない。








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