【完】向こう側の白鳥。
そんなとき視界の端に映った、お姉ちゃんの写真。
お姉ちゃんは私の心境なんて知らず、いつも通り優雅に笑ってる。
隠すものじゃないのは分かってるけど、何となく見せたくなくて、私は写真を伏せた。
先輩はお風呂を上がると、直ぐに帰って行った。
もう少しいても良かったのに。
それが五時半頃。
随分な時間、私達は大雨の中にいたらしい。
食材も買ってないなと思ったけど、今からお風呂に入って、また外に行く気にはなれなかった。
でも、私がそんな状況になると予想していたのか、六時になると菜子ちゃんが夕飯を持って来てくれた。
菜子ちゃんママ特製のおでん。