【完】向こう側の白鳥。
そんな果穂さんは急いでいるのか、少し慌ただしい。
「ごめんねっ、今からバイトで急いでるの!」
あ、バイトだからか。
時計に一度目を向けて、果穂さんはバックから小さなメモ帳を取り出した。
ペンで何かをスラスラと書いていく。
書き終えれば、そのメモ用紙を切り取って、私に渡して来た。
「柚子ちゃん、これ梅芽ちゃんに渡しておいてくれないかな? 連絡入れても繋がらなくて……。」
「え……?」
「あああっ!! 時間ヤバい! またねっ、柚子ちゃん!」
私が口を開く間もなく、果穂さんは公園を出て行って……。
私が一人公園に残り、首を傾げる。