【完】向こう側の白鳥。
ただ昼休みは、昼食を共にするようになった。
いつも一ノ宮先輩と食べていた沢渡先輩もいない、二人きり。
時に休日は、先輩と二人で出掛けたりもした。
……と言っても、殆どが美術館とか公園。
絵を描く私達にとって、そこは映画館やデパートよりも価値のある場所だから。
七月半ば。
私は今日、一ノ宮先輩の家に来ている。
理由は、一学期の期末テストを来週に迎えているから。
今学期中間に、自分達にとって有り得ない点数を叩き出してしまった私と先輩は、その穴を埋めるかのように期末対策をする。
特に一ノ宮先輩の場合、受験生だからより高い結果が必要。
そのために、今日は先輩の家で勉強会。