【完】向こう側の白鳥。
それでも、余裕で一位を取ってしまいそうな雰囲気を醸し出してるのだからすごい。
「終わりましたよ、先輩。数学は完璧。」
「お疲れ様。」
起きてきた先輩が私の隣へと腰を下ろした。
並んだ肩の高さで、改めて先輩との差を実感する。
「柚子、もう帰る?」
時計を見た先輩が言う。
私も時計を見れば、今は五時半。
テスト期間に入って部活が無いから、学校のあと直行で先輩の家に来たんだけど。
三時半ぐらいに終わって、そこからの二時間は思ったより早かった。
「もうこんな時間なんだ……。帰ります。」
「送る。」