【完】向こう側の白鳥。








六時二十分、チャイムが鳴る。



ピンポーン





一つ、息を着いた。





今日が、先輩との最後。








白の巾着を持つ。



中には財布とハンカチだけ。





浴衣は巾着と同じ色。



白地に、黒のツバメが描かれた落ち着いたもの。



所々には、鳥の羽のようなものが散りばめられている。





お姉ちゃんは昔から、服でも鞄でも部屋の小物でも、ピンクや赤などの明るい色のものが多かった。



私は真逆で、水色や白などの目立たない色のものの方が多い。





この浴衣も、一般的に見れば少し地味かも知れないけど私は好き。





それに、この浴衣の柄には……。







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