【完】向こう側の白鳥。








私の自慢のお姉ちゃんは、二年前にこの世を去った。





相手の居眠り運転による交通事故。



お姉ちゃんは即死だったらしい。





その時の私は中学二年生で、お姉ちゃんは高校三年生だった。





先生からは過大な期待を受けていて、後輩からは高嶺の花と、同級生からは正に憧れと慕われていたお姉ちゃん。





当然彼氏もいたし、仲の良い友達もたくさんいたのに。



お姉ちゃんは呆気なく、あの世へと逝ってしまった。





「……いってきます。」





ソッと呟き、写真の前に置いていた髪飾りを手に取る。





黄色の花をモチーフにした、白の髪飾り。



これはお姉ちゃんの形見。








< 20 / 390 >

この作品をシェア

pagetop