【完】向こう側の白鳥。
「ゆーずーちゃーん!!」
髪飾りを頭につけたところで、家の外から馴染みの声が聞こえた。
そのあと部屋に響く、インターホン。
……菜子ちゃん、する順番が逆だって。
いつも言ってるのに、まるで進展無しの彼女に今日一回目の溜息。
「ゆーずーちゃーん!!」
「今から行くー!!」
このままじゃ近所の迷惑に成り兼ねないので、私は慌てて鞄を持って家を出る。
部屋から出る際、もう一度だけ写真に振り返った。
私とよく似たお姉ちゃんの姿。
お姉ちゃんは身長が低いから、私とあまり変わらなくて。
小さい頃は、よく双子と間違えられた。