【完】向こう側の白鳥。








「どう、して……っ。どうして……!!」





どうして、お姉ちゃんが先輩の想い人なの?





神様のいたずら?



にしては陰湿すぎるよ。



性格悪い。





でもこれが、神様のいたずらなら。



お願い、神様。





一ノ宮先輩の記憶の中から、私を消してよ。





先輩は優しいから、私が知ったことを知れば、絶対に自分を責める。



どれだけ、私は傷ついてもいいから。



先輩にだけは、辛い想いをさせないで。





あなたがしたことなら、それらを全て水に流すから。



この願いだけを、叶えて下さい……。





いつかきっと、私の知らないどこかで、



彼を幸せにしてあげて下さい。









< 216 / 390 >

この作品をシェア

pagetop