【完】向こう側の白鳥。
待ち合わせは北校舎の階段。
二年生、三年生が階段を下りて行く。
その中に馴染みの姿を探すけど、一向に見つからない、
「遅いなぁ、菜子ちゃん。」
私のクラスのホームルームが終わってから、十五分も経っていた。
二年生も沢山下りて来ているのに、菜子ちゃんだけが見つからない。
いくら何でも、遅すぎる。
「……世話が焼ける。」
仕方なく、私は階段を上って三階へと向かった。
菜子ちゃんは直ぐに見つかる。
南校舎に繋がる渡り廊下にいた。
菜子ちゃんの目の前には一人の男性。
学年ごとに違う靴色からして、緑色の彼は三年生。