【完】向こう側の白鳥。
相手は真剣な表情で、菜子ちゃんは顔を真っ赤にしている。
……これはもしかして、もしかしなくても……。
「告白、だな。」
ガタタタッ
「音立てるなよ、気づかれるだろ。」
突然に聞こえて来た声の正体、沢渡先輩。
一ノ宮先輩が告白されてるときも、夏祭りのときも、今も。
この人、ちゃんとして登場出来ないの……?
沢渡先輩と会う度に、驚かされている気がする。
「あれ、お前の友達?」
沢渡先輩は菜子ちゃんを指差して言った。
「は、はい。この前話した幼なじみです。」
「ふーん。」
『ふーん』って……。