【完】向こう側の白鳥。








「……好きです。」





迷うこともなく、私は答えた。





別れた今でも、真実を知った今でも、私は一ノ宮先輩が好き。



きっと、これからもずっと……。





……一ノ宮先輩は、もう私のことを嫌ってる。



記憶から抹消されてるかも知れない。



あんなにも、酷いことを言ったんだから……。





――ピンポーン



その時、インターホンが鳴った。





「げっ、まさかアイツ……。」



「アイツ?」





ピンポンピンポンピンポーン





激しく鳴らされるインターホン。





「沢渡先輩? 出ないんですか?」



近所迷惑になりますよ。








< 234 / 390 >

この作品をシェア

pagetop