【完】向こう側の白鳥。
「……好きです。」
迷うこともなく、私は答えた。
別れた今でも、真実を知った今でも、私は一ノ宮先輩が好き。
きっと、これからもずっと……。
……一ノ宮先輩は、もう私のことを嫌ってる。
記憶から抹消されてるかも知れない。
あんなにも、酷いことを言ったんだから……。
――ピンポーン
その時、インターホンが鳴った。
「げっ、まさかアイツ……。」
「アイツ?」
ピンポンピンポンピンポーン
激しく鳴らされるインターホン。
「沢渡先輩? 出ないんですか?」
近所迷惑になりますよ。