【完】向こう側の白鳥。
どうすれば、よかった?
何が正解で、何が間違いで。
何が嘘で、何が本当?
これで何度目か。
涙で枕を濡らし、一晩を過ごした。
午後十一時。
携帯がメールを知らせる。
二件のメールが届いていた。
『明日の夕方、会えないかな?』
一通は果穂さんから。
もう一通は……。
『おやすみ。』
……沢渡先輩から。
「っ……!」
素っ気ないそのメールに、悲しいような暖かいような、良く分からない気持ちが溢れた。
私は、ただ、一人が嫌で……。
「…………そっ、か……。」
一ノ宮先輩も、こんな気持ちだったのかな……。