【完】向こう側の白鳥。








尾崎葛平(おざき かつひら)こと、担当科目数学のかっちゃん。



私のクラス、1−1の担任。





「白鳥、お前なー……。いくらテストの点数が良くても、授業態度がそれだと、内申は下がる一方だぞ?」





別に下がっても良いんだけどな……。





お母さんみたいな医者になる気は、一ミリも無いんだし。





「じゃあ黒板の問題、三番解いて。」





何が「じゃあ」なの?





黒板に眼を移せば、ズラズラと書かれている問題やら公式やら。





あー……これ、この前やったヤツだ。





「…………正解。」





立ち上がってさっさと書き終えれば、案の定の正解。





かっちゃんはもう何も言わなくなり、授業を進めた。








< 26 / 390 >

この作品をシェア

pagetop