【完】向こう側の白鳥。
尾崎葛平(おざき かつひら)こと、担当科目数学のかっちゃん。
私のクラス、1−1の担任。
「白鳥、お前なー……。いくらテストの点数が良くても、授業態度がそれだと、内申は下がる一方だぞ?」
別に下がっても良いんだけどな……。
お母さんみたいな医者になる気は、一ミリも無いんだし。
「じゃあ黒板の問題、三番解いて。」
何が「じゃあ」なの?
黒板に眼を移せば、ズラズラと書かれている問題やら公式やら。
あー……これ、この前やったヤツだ。
「…………正解。」
立ち上がってさっさと書き終えれば、案の定の正解。
かっちゃんはもう何も言わなくなり、授業を進めた。