【完】向こう側の白鳥。








かっちゃん先生の言葉でハッとする。





確かにそうだ……、私……。



私がこうやって倒れたせいで、かっちゃん先生にも私を運んでくれた人にも……。





…………あれ……?





「……かっちゃん。」



「何だよ?」





学校の保健室にも関わらず、かっちゃん先生は煙草に火をつけて吹かす。



こういう先生がいるから、沢渡先輩みたいな生徒もいるんだろうな……。









自分の手をギュッと握って、震える声で“あること”を願った。





「私をここまで運んだの……かっちゃん……?」





「……いや? 違うぞ。」



その願いは、たった一言で消し去られたけど。








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