【完】向こう側の白鳥。
また視線を外へと向ける。
私の席は一番窓際、見えるのは運動場。
この時間は3−1と3−2の合同体育の時間のよう。
でも女子は体育館でやってるのか、いるのは男子だけ。
窓から人一倍目立って見えるのは、綺麗な高跳びを成功させている一ノ宮先輩。
本当に運動神経も良いんだ……。
女子はいないはずなのに女子の歓声が聞こえて、少し窓から乗り出せば、隣のクラスの女子が私と同じようにして先輩達を見ていた。
「一ノ宮先輩、かっこいー!!」
結構大きめな声。
一応、今授業中なんだけど。
そのあと直ぐ「いたっ!」って声が聞こえて。
六限目終了のチャイムが鳴った。