【完】向こう側の白鳥。
「んじゃ、これで今日の授業終わりー。ホームルームするから、まだ帰るなよー。」
かっちゃんお決まりの言葉で終わった六限目。
聞いてないのか、クラスメートは直ぐ様仲の良い子のところへと行き雑談を始める。
窓の外を見ても、いるのは体育担当の先生と今回使った用具を片付ける体育委員だけ。
教室を出て、ホームルームまでの時間をどうやって潰そうかと悩む。
友達がいないわけじゃない。
話すぐらいの友達なら、クラスにもうんといる。
ただ常に行動を共にする友達はいない。
“いない”というか、“作らない”。
また失ってしまったとき、傷つくのは自分だから。