【完】向こう側の白鳥。
それからしばらくして、お姉ちゃんが俊二のことを好きなことに気がついて。
俊二もまた、よくお姉ちゃんと二人で出掛けたりして、そこに想いがあるんだと思った。
私はお姉ちゃんには敵わない。
お姉ちゃんはみんなの人気者。
優雅で、端麗で、性格も良くて……。
三つ下の菜子ちゃんも、私と同い年の時貴くんも、お姉ちゃんが大好きだった。
年齢性別関係なく、誰からも好かれていたお姉ちゃんだから。
だから、俊二が私じゃなくてお姉ちゃんを選んだことにも、簡単に納得が出来た。
……しばらくしてお姉ちゃんと俊二が付き合ったことを、私は菜子ちゃんから聞かされた。
中学二年生の春。