【完】向こう側の白鳥。
「お前に告白されて、嬉しかった。付き合いたかった。梅芽じゃない、柚子とだ。」
何度あの日、あの時を後悔したか。
大好きなお前に告白されて舞い上がって。
同時に、こっ酷く柚子を振った自分が許せなかった。
例え康稀や周りの奴に冷やかされても、お前の告白を邪険にするべきではなかった。
四年間、ずっと悔やんでいた。
「っ、柚子が好きなら、なんで梅芽の告白を受けた!」
オレ達の話を聞いていた紫苑が声を荒げる。
オレが柚子を想い、
梅芽がオレを想っていたように、
紫苑も梅芽を想っていた。
梅芽がオレを想えば想うほど、深く、深く……。