【完】向こう側の白鳥。
「……お前、紫苑に近づくなよ。」
……はぁ?
家族構成の次は、一ノ宮先輩?
「どうしてですか?」
私から近づいた覚えはないけど、気になるので聞いてみる。
もし一ノ宮先輩に彼女がいるとかなら、万が一……いや億が一、その彼女に先輩と私の関係を勘違いされたら困るから。
「何でもだ、お前には関係ねえ。」
だけど先輩は教えてくれなかった。
赤に近い茶髪をしていて、その場で煙草を加える先輩。
いくら部活中で先生が少ないからって、一応ここも学校内ですが。
そんなことはお構いなしという風に、煙草の煙を吸っては吐き出す彼。
肺に悪いのに……なんて、お母さんみたいなことを思う。