【完】向こう側の白鳥。
side 白鳥柚子
デートって、どんな服装で行ったら良いんだろ……。
「変……じゃないかな?」
全身が映るほどの大きな鏡の前で首を傾げる、
ゴールデンウイークの初日。
私は鏡に映る自分の姿に、かれこれ一時間も悩んでいた。
「どうしよう……っ、あと十分で先輩が来る……。」
約束の時間は午前十時。
今は九時四十五分を回って、長針は今にも十を指そうとしていた。
「か、鞄……!」
柄にもなく焦ってる私は、元から用意していた鞄に携帯や財布などを詰めていく。
そのついでに、部屋中に散乱してるたくさんの服はタンスやクローゼットへ。