【完】向こう側の白鳥。








最初は私も先輩も楽しめる、っていう場所が思いつかなくて。





先輩にもそう言ったんだけど……「白鳥さんが楽しめるなら、それで俺も楽しいから。」と、却下されてしまった。





それもあって、今私達はここに来ている。





「あっ……! この帽子可愛い!」





そんなとき私が目をつけたのは、一つの白い帽子。





シンプルな花柄だけど、生地が良い。



触り心地がとても良くて、柄の花自体も細かくデザインされているのが見てわかる。





「……欲しい?」





チラッと値段を見た。





「いえ……。ただ、素敵だなって。それに、私にはこの髪飾りがありますから。」





帽子をかぶったら、お姉ちゃんの髪飾りを外すことになる。








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