高校球児に女子大生が恋をした。
「佑都は美羽のことが好きなんだと私は思ってたんだけどな〜」
さっちゃんは隼人とニヤニヤしていた。
「俺も佑都は美羽のことが好きなんだと思ってよ。
なんでかわかんねーけど、無性に守りたくなるって子がいるって。」
「っ…!
お前らベラベラうるせーなー、まったくよー。」
佑都は顔を赤らめて運転していた。
「美羽にはひろくんがいただろ。」
「あー、ひろね。」
私はまた窓の外を見た。
窓の外に見える景色は、
高校生の時に教室から見ていた風景になんとなく似ていた。
「ちょっと車止めてくるからみんなはその辺降りといて。」
「「おっけー」」
私たちは佑都に車を任せ、
海辺の方へと向かった。
「うわー、やっぱきれー…真っ暗でわからないけど。」
「こんな真っ暗な海はいつ振りだろう。」
「ここ、観光客も居ないし俺ら卒業生とか生徒しか分からないスポットだからな。」