高校球児に女子大生が恋をした。
「そっか、お幸せにな。」
そう言ったひろの顔はなんだか少し寂しそうだった。
「ひろは?ひろは…できたの?」
「俺は、できてないよ。」
「そ、そうなんだ。」
「あー、ひろトイレ長すぎ!
もおー、ずーっと待っとったんだよー?」
さっきひろに抱きついていた女の子だった。
「お酒でも飲んだん?」
「酒屋で働いてる親がいるやつが、たまにはええやろって持ってきてくれたんよ。
そしたら、こうなって。」
その女の子はでろんでろんに泥酔していた。
「ねーぇ、ひろってばー。なぁに、この女の人ー?
私の方が胸大きいよー?私の方がよくないー?」
その女の子は自分のワイシャツのボタンを緩ませひろを誘惑していた。
「ちょ、まじで音羽、それはやめろって。」
「ねぇーって、ほら触ってみる?」
その女の子はひろの手をつかみ、自分の胸へと持っていった。
「ちょ、やめろって!ばか!」
もう限界だった。
こんなん見せつけられるために私はいるの?なにしてるの。
「はーい、そこのお兄さんとお姉さーん、俺らの前でいちゃつかないでよね?」
バッと後ろからいきなり抱きついてきたのは佑都だった。
「ゆ…佑都?!」
「ついでに、お姉ちゃん、美羽こう見えてけっこー胸あるからさ。
ちっちゃい乳は隠してね♡」
そう言い残すと私の手を握り、佑都はその場を離れて行った。